田植えの時期に必ず使う農機具である田植え機。しかしそもそも田植え機について詳しく分からない…なんてことも。そんなあなたもご安心下さい。このページでは農機具専門スタッフが田植え機の基礎知識や人気メーカーなど分かり易くご紹介します。

田植え機の基礎知識

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それではまず田植え機の基礎知識について運転免許の有無や価格についてご説明させて頂きます。

田植え機とは

田植え機とは、稲作で用いられるイネを田んぼに植える農機具です。水を張った田んぼに育苗された苗を1本1本を均一に植えることができます。その他にも、苗を植えながら肥料を蒔いたり、殺虫剤を蒔いたりすることもできます。田植え機を押しながら歩いて植えていく「歩行型」と田植え機に乗って植えていく「常用型」の2種類があり、それぞれ田んぼの大きさによって使い分けられています。現在は、全て自動で行う「ロボット田植機」などもあります。

田植え機は公道走行はできないので、運転するのに免許はいらない

田植え機は、公道を走るための装備基準を満たしていないので、公道を走ることができません。なので、運転するのに免許も必要ありません。田植え機を移動させる場合は、トラックの荷台などに載せて移動させる必要があります。

田植え機は公道を走ることができませんが、農耕用小型特殊自動車に分類されるので、課税対象(軽自動車税)となります。ナンバープレートの交付も受ける必要があります。田植え機の処分の際は、廃車手続きを忘れないようにしましょう。

田植え機価格について

田植え機は、一度に植えることができる条(列)数で価格が変わります。

新品の田植え機の価格設定は、機能など追加でオプションを付けると加算されます。田んぼの広さによって使う田植え機も変わるので、あらかじめ作業を行う田んぼの広さを確認しておくのがオススメです。

2条(歩行型)40万円~70万円
2条(乗用型)70万円~130万円
4条80万円~130万円
5~8条200万円~450万円
10条400万円~550万円

田植え機中古相場について

日本の田植え機は性能や耐久性が高く購入から年数の経過した物でも十分に農作業に使える事から中古の田植え機を求める方も増えています。

中古田植え機の場合は、『新品価格の約1/10』が中古相場になっています。田植え機の稼働時間・付属のオプションなどによっても中古相場価格が多少変動します。

田植え機のレンタルについて

小さな田んぼで田植え機を買うまでは考えていない、という方もいらっしゃると思います。実は、田植え機はレンタルすることも可能です。レンタルできるところは、JAや中古農機具レンタル会社などです。

料金は、1日あたり2万円~5万円がレンタルの相場価格になります。

田植え機のメーカーについて

ここでは、国内大手の田植え機製造メーカーと代表モデルについてご紹介していきます。もしかしたら聞いたことがあるメーカー名もあるかもしれません。

クボタ

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クボタは、国内最大手の農機メーカーです。田植え機も高性能でGPSを利用した株間キープ機能などが搭載されている田植え機もあります。効率よく作業ができる高性能農機具が満載なメーカーです。代表的な田植え機は、「ナビウェルシリーズ」「Agri Robo」などです。
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井関農機(イセキ)

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イセキは、国内シェアが20%近くとヤンマーとほぼ変わらないシェアを誇っています。イセキの田植え機は、GPS機能による直進と旋回のアシスト機能が付いています。歩行型や常用型の他に、ロボット田植え機があり、自動運転機能とリモコン操作による無人作業が可能です(使用者の監視下)。代表的な田植え機は、「さなえ PRシリーズ」などです。
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ヤンマー

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ヤンマーは、クボタに次いで国内シェア2位の農機メーカーです。育苗箱数を減らすことができる『密苗(みつなえ)』栽培技術を打ち出しています。代表的な田植え機は、「YR-DAシリーズ」や「APシリーズ」などです。
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三菱マヒンドラ農機

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三菱は、国内シェアは少ないですが歴史のある農機メーカーです。安全性を追求しており、ブレーキなど複数のハンドル1つにまとめたり、運転席にサポートフレームを備え付けられていたり、転倒したときに警報がなるなど、安全機能を打ち出しています代表的な田植え機は、「LEシリーズ」などです。
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田植え機の選び方3つのポイント

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ポイント1 歩行型か乗用型か

歩行型は、田植え機を押しながら歩いて苗を植え付けていくタイプです。小さな田んぼにオススメです。乗用型は、田植え機に乗って苗を植え付けていくタイプです。乗用型は4輪駆動なので、アタッチメントをつけることで苗植えと同時に、肥料や除草剤・殺虫剤などを散布することができます。

作業が楽なのは、乗用型田植え機で座って操作ができ、アタッチメントで同時にできる作業もあるため乗用型を選ぶ方が多いです。しかし、歩行型は小回りがきくので、田んぼの広さが3反歩未満か3反歩以上かによってメリット・デメリットが変わります。

ポイント2 田植え機の条(列)数

田植え機は、一度に植えることができる条(列)数も選ぶポイントになります。条数とは、一度に植えることができる列のことを指しています。

歩行型の田植え機は、2~4条植えまであります。乗用型の田植え機は、4~10条植えまでがあります。一度に植えることが列の数が多くなるほど、田植え時間を短縮することができますが、田んぼの広さが狭い場合は、旋回の数が増え効率が悪くなることもあります。なので、田んぼの広さによって選ぶ必要があります。

選ばれることが多い乗用型の田植え機は、4条植えが一般的に普及しており、小規模農家の方がよく使われています。大規模農家の方々は、8~10条植えを選ぶことが多いです。

ポイント3 マット式かポット式か

苗の育て方に、「マット式」と「ポット式」があり、田植え機は「マット式対応」か「ポット式対応」のどちらかを選ぶことになります。

「マット式」

マット式とは、苗箱全体に土を敷き、種をまいて苗を育てます。育苗が簡単な育て方ですが、植える時に根を傷つけやすく、植えたあと根が張るまでに時間がかかる育て方です。

「ポット式」

ポット式は、あらかじめ苗箱にくぼみがを作って育てるやり方です。育苗に手間がかかる方法ですが、苗の根が傷つきにくく、植えたあとの発育がよくなる育て方です。

「マット式」か「ポット式」か、どちらの育て方にするかで、選ぶ田植え機が変わります。

田植え機についてもっと知ろう!

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エンジン

田植え機のエンジンは、ガソリンエンジン仕様ディーゼルエンジン仕様の2種類があります。小型の田植え機はガソリンエンジン仕様が多く、8~10条植えの田植え機はパワーのあるディーゼルエンジンが使われています。田植え機を使う頻度は年に1回と少ないので、使用前にエンジンの確認・メンテナンスをしてから田植えを行いましょう。

アタッチメント

田植え機にはいくつかアタッチメントを取り付けることで、作業範囲を広げることができます。田植えと同時に肥料をまける粒剤施肥機除草剤などの薬剤散布用植え付ける苗を補給する苗補給装置地ならし用のアタッチメント株間を調整できるアタッチメントもあります。

苗のせ台・予備苗のせ台

田植え機には、植え付ける苗を載せる「苗のせ台」と「予備苗のせ台」があります。苗のせ台は、田植え機後部にあり、苗のせ台に苗を設置していきます。あとは、田植え機を運転しながら苗が下へ送り出され植え付けられています。予備苗のせ台は、後部にある苗のせ台の苗が少なくなってきたとき、苗を補充するために載せておく台です。

植え付け部

植え付け部は、田植え機の下田んぼとの接地面近くにあり、植付爪が苗のせ台の苗をつかみ、爪が回転して下の土に苗を植え付けていきます。台のせ台が端に寄っていないと苗が傷んだり、欠株などおこるので、植付部の空回しを忘れずに行いましょう。

田植え機での植え方・メンテナンス

田植え機の運転方法

田植え機の運転方法は、「CATVANAN」様の動画をご参考ください。
動画の8分後から操作・運転方法

動画の要点をテキストで見たい方は以下をご覧ください。

動作前の確認
  • 右足元ペダルがブレーキ
  • ハンドル左側レバーが前進/後進
  • ハンドル右側レバーが油圧(植付)レバーで苗のせ台の上げ下げを行う
実際に走り始める
  1. ハンドル左側レバーを前に倒し前進
  2. 田んぼの中に入ったら苗のせ台を下げて前進しながら植えていく
  3. 反対側に着いたら、ブレーキをかける
  4. 条止めレバー(あぜぎわクラッチ)で植付爪と苗送りベルトを止める
  5. 田植え機先端の赤い部分をマーカーに沿って前進しながら旋回する

田植え機の植え付け部の空回しの方法

田植え機の空回しは、田植え作業をする前に必要な作業です。空回しをしないと、苗のせ台が端に寄っていないので苗送りのときに植付爪が苗を途中からとってしまうことで、苗が歪んでしまいます。それを防ぐために空回しを行います。

田植え機植付部の空回し方法は、「荒木農機 arakinouki」様の動画をご参考ください。

動画の要点をテキストで見たい方は以下をご覧ください。

動作の確認
  • 副変速レバーを中立に入れておく
  • 植付部を途中まで下ろして油圧(植付)ロックをかける
  • エンジンをかけ植付部の上下レバーを下にさげ前進すると植付部が作動

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